歯や歯茎が痛くなる原因

むし歯による痛み
むし歯は、お口の中の細菌が原因で起こる感染症です。細菌が歯の表面で食べ物の糖分と反応して酸を作り、時間をかけながら、この酸が歯を溶かしていきます。初期の段階では白く濁る程度で痛みはありませんが、進行すると甘いものや冷たいものがしみるようになります。さらに進むと強い痛みを感じ、神経まで達すると夜に痛みで目が覚めることもあります。最終的には歯の根まで広がり、歯茎が腫れたり膿が出たりします。
毎日の歯磨きでプラークをしっかり落とすことがむし歯予防の基本です。歯磨きだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスを使って歯と歯の間もきれいにしましょう。
また、糖分の多い食べ物や飲み物の摂りすぎに注意し、定期的に歯科検診を受けることも大切です。4 f
歯周病による痛み
歯周病は歯垢(プラーク)の中の細菌が原因で起こる感染症です。初期段階では歯茎が赤く腫れたり、歯を磨くと血が出たりします。進行すると歯と歯茎の間の溝が深くなり、歯を支える骨が溶け始めます。さらに悪化すると歯がグラグラし、最後には抜け落ちてしまうこともあります。
歯周病は30~40歳代で80%以上の方が何らかの症状を持っていると言われています。喫煙や糖尿病は歯周病のリスクを高めますので、禁煙や生活習慣病の管理も歯周病予防には重要です。歯磨きに加えて洗口液を併用することで、より効果的な口腔ケアが期待できます。
神経の過敏(知覚過敏)と神経の炎症
歯の表面が削れたり歯茎が下がったりすると、冷たいものや熱いものがしみる知覚過敏になることがあります。強く歯を磨きすぎたり、歯ぎしりなどの咬む力の影響、酸っぱいものをよく食べたりすることが原因になります。知覚過敏は突然の痛みですが、刺激がなくなると
神経が正常に戻ることができ、治まるのが特徴です。
また、むし歯が深くなって歯の神経まで達するなど、神経に炎症が起きてしまうと、じっとしていても痛みがあったり、夜中に痛みで目が覚めたりします。これはむし歯だけでなく、歯のひび割れや強い衝撃でも起こることがあります。神経の炎症は我慢せず、早めに受診することが大切です。
歯や歯茎の痛みの特徴
- 特定の歯だけが痛むことがある(むし歯や神経の炎症、歯のひび割れなどの可能性)
- 歯茎全体が痛むことがある(歯周病の可能性)
- 冷たいものを飲んだときだけ痛むことがある(知覚過敏や初期のむし歯の可能性)
- 噛むと痛くなることがある(むし歯や神経の炎症、歯周病、歯のひび割れの可能性)
- 朝起きたときに顎が痛むことがある(歯ぎしりや食いしばりの可能性)
- 歯を磨くと歯茎から血が出ることがある(歯周病の可能性)
- 口の中が全体的に痛むことがある(口内炎やウイルス感染の可能性)
- 顎を動かすとカクカクと音がすることがある(顎関節症の可能性)
むし歯の痛みは段階によって違い、初めは冷たいものがしみる程度ですが、悪化すると常に痛みを感じるようになります。歯周病では歯茎の腫れや出血、口臭が特徴的です。知覚過敏は刺激がなくなると徐々に痛みも消えます。
治療方法

むし歯の治療
初期のむし歯はフッ素塗布で治療します。少し進んだむし歯は、削った大きさにより、プラスチックや詰め物で治療します。神経まで進んだ場合は「根管治療」で神経を取り除き、内部を化学的に洗浄して樹脂を詰めます。当院ではマイクロスコープや拡大鏡を使った正確な治療で、できるだけ歯を残せるようにしています。
最近では削る量を最小限にする「ミニマムインターベンション」という概念が注目されています。これは、健康な歯を可能な限り維持し、う蝕治療を行うというコンセプトで、健康な部分を最大限に残しながら、予防を含めてう蝕の管理をしたり、悪くなった部分だけを削る最小の侵襲で治療する方法です。可能な限り健康な歯を維持し、自分の歯を一生維持・機能させることを目指します。
歯周病の治療
歯周病治療では、炎症の原因となる、歯垢(プラーク)や歯石を取り除きます。
ご自身での正しい歯磨きと、歯科医院での専門的なケアを組み合わせ、歯周病を予防します。歯と歯茎の間の溝が深い場合は、根の表面につく歯石を取り除き、なめらかにする治療をします。
歯周病の治療で大切なのは継続的なケアです。3~6か月に一度の定期検診で専門的なクリーニングを受け、歯石の再付着を防ぎましょう。喫煙者は非喫煙者に比べて歯周病が悪化しやすく、治療効果も出にくいので、禁煙を考えるきっかけにもなります。
神経の過敏(知覚過敏)と神経の炎症治療
知覚過敏は原因を特定し、知覚過敏用の薬やブラッシング指導などで症状を和らげます。硬い歯ブラシを使っている方は、柔らかめのものに変えるだけでも改善することがあります。酸性の強い飲食物の摂取を控えることも効果的です。
神経の炎症がある場合は根管治療が必要です。神経を取った歯は痛みを感じにくくなるので、定期的な検診が大切です。治療後は、噛む力に耐えられるように被せ物で保護することが一般的です。マイクロスコープで治療すると歯を削る量が少なくなり、詰め物の治療ができることもあります。歯を残せるかどうかは、早期発見・早期治療が鍵となります。
歯や歯茎の痛みとよく似た症状を示す病気
- 蓄膿症がある(上の歯が痛むように感じることがある)
↓ 慢性化したものが蓄膿症
- 三叉神経痛がある(顔の一部に鋭い痛みが走ることがある)
- 顎関節症がある(口を開け閉めするときに痛みやカクカク音がすることがある)
- 咀嚼筋の炎症がある(顎の筋肉が痛むことがある)
- 帯状疱疹がある(顔の一部に沿って痛みと発疹が出ることがある)
- 副鼻腔炎がある(頬や前頭部の痛みと鼻づまりがあることがある)
歯の痛みと間違えやすい病気もあるため、歯科医院で症状をしっかり伝えることが大切です。治療しても痛みが改善しない場合は、他の病気の可能性も考えられます。
対象の診療メニュー
- むし歯治療(むし歯による痛みの場合)
- 根管治療(神経まで達したむし歯や歯の神経の炎症の場合)
- 歯周病(歯茎の腫れや出血がある場合)
- 顎関節治療(顎の痛みやカクカク音がする場合)
- 歯ぎしり・食いしばり(朝起きたときに顎が痛む場合)
- 嚙み合わせ(噛むと痛みがある場合)
- 親知らずの抜歯(親知らずやその周囲の歯茎の炎症による痛みの場合)
- 口腔機能低下症(「感覚」「咀嚼」「嚥下」「唾液分泌」等の機能が低下している症状)
歯や歯茎の痛みは日常生活に大きな影響を与えます。痛みを感じたら早めに受診することが大切です。当院では保険が使える治療を基本として、できるだけ自分の歯を残せるよう心がけています。少しでも気になることがあれば、いつでもご相談ください。自分の歯を長く維持・機能させるためには、予防がとても大切です。
予防は治療より大切です。定期的な検診と日々の正しいケアで、歯の健康を守りましょう。