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読む予防歯科　効果的なむし歯の予防方法とは？歯の保存療法の専門歯科医が解説

《虫歯の原因》

昔から主に以下の３つと言われています。

【細菌】

歯の表面に付着するプラーク（歯垢）に潜むミュータンス菌が糖質をエサにして作り出した酸によって歯が溶かされた状態がむし歯です。

【糖質】

虫歯の原因であるミュータンス菌が酸を作り出す際の材料として使われます。間食が多かったり食後に歯磨きをしなかったりすると、長時間歯が酸にさらされて虫歯のリスクが高まります。

【歯質（歯）】

乳歯や生えかわったばかりの永久歯（幼弱永久歯）は、歯の質が弱く虫歯になりやすいため注意が必要です。

 

これらの３つの原因が重なり合い、【時間】が経過することで虫歯となることがわかっています。

 

 

 

《むし歯の進行段階》

ひとたび、むし歯になると以下のように進んでしまいます。

CO ：痛みはなく、白っぽくなったり、表面がざらざらする

C１：痛みはなく、灰色や茶色の溝や小さな穴ができる

C２：冷たいものや甘いもので凍みたり、痛みを感じる。茶色や黒い大きな穴ができる

C３：冷たいものや温かいもので強く痛む。時に、何もしなくてもズキズキ痛む。かなり大きな穴や歯が欠けたりする。

C４：冷たいものや温かいもので強く痛むが、のちに痛みを感じなくなることもある。何もしなくてもズキズキ痛む。むし歯の進行により歯が残せなくなることもある。

 

《どの段階、どの症状であれば、予防が間に合うレベルなのか》

この中で、唯一、CO（シーオー）は、予防的な治療で対応でき、削らずに様子を見ることができます。

なぜなら、虫歯の進行を抑制できる可能性がありるからです。

むし歯が、歯（エナメル質）の表面にのみ限局している場合、再石灰化が起こり、歯（エナメル質）の結晶の硬さが戻ることがわかっています。（再石灰化について　https://www.tsubakimoto-dc.com/column/）

つまり、この状態までに口腔内環境を整えることができれば、むし歯の進行は抑制され、歯を削らずに済むのです。

 

《予防するのとしないのとによる症状の進行具合の違い》

ズバリ、予防したほうが進行具合は遅くなります。

では、むし歯の進行を抑制するためにはどのようにしたらよいのでしょうか。　

 

 歯科医院で治療に行った際、歯のクリーニングや定期検診を勧められた経験がある方も多いと思います。

 

歯垢（プラーク）は、細菌の塊であり、“歯垢（プラーク）1mgのなかには、およそ300種類1億個もの細菌が存在している。と言われています。

”水に溶けにくく、ねばねばしていて、うがいでは、なかなか簡単に取り除くことはできません。

 

歯ぐきより上の歯垢（歯肉縁上プラーク）に含まれるむし菌が、食べかすの糖をエサに、酸を産生することで、歯のカルシウムが溶かされます〔脱灰（だっかい）〕。

長時間、プラーク（歯垢）が付いたままでいると、歯の奥まで脱灰が進行し、歯に穴があき始め、虫歯となってしまいます。

 

つまり、予防するためには、ミュータンス菌の餌となるプラークを減らすために、虫歯予防の習慣作りが大切なのです。

虫歯予防の習慣づくりは、以下の２つが大切です。

 

①　「セルフケア（日々の口腔ケア）」

　　　・　食べたら歯を磨く

　　　・　正しい歯磨きのしかたで磨く　

　　　・　就寝前はより丁寧に磨く

　　　・　フッ素入り歯磨き粉、フロス、歯間ブラシなどの使用

　　　・　間食の頻度や量を控える

　　　・　よく噛んで食べる

　　　・　喫煙を控える

 

②　「プロケア（歯科医院で受ける専門的なケア）」

　　　・　歯石の除去

　　　・　セルフケアのチェックやアドバイス

　　　・　生活習慣の確認

　　　・　PMTCによる歯のクリーニングと強固なバイオフィルムの除去

　　　・　高濃度フッ素塗布

 

《フッ素とは何か。どんな効果があるのか》

フッ素（フッ化物）は、次のような働きがあります。

  • ミュータンス菌の活動を抑え、ミュータンス菌が出す酸の抑制
  • 歯（エナメル質）の表面の強化
  • 再石灰や歯質（エナメル質）強化
  • 結果として、歯の脱灰（溶解・むし歯の進行）を抑制する

 

具体的な作用を説明いたします。

　１、歯（エナメル質）の表面の強化

　　　歯の主成分であるハイドロキシアパタイトが、硬さの強いフルオロアパタイトに変化し、酸に強い歯を作る。

　２、再石灰化の促進

　　　エナメル質表面のハイドロキシアパタイトが、硬さの強いフルオロアパタイトに変化することで、初期の虫歯（脱灰）を修復し、歯の再生を助ける。

　３、虫歯菌の活動抑制

　　　フッ素の抗菌作用により、むし歯菌（ミュータンス菌）が酸を作ることを抑制する。

 

歯科医院でのフッ素塗布や、フッ素入り歯磨き粉の使用は、むし歯の発生率を下げるという研究報告があり、特に、子どもの歯（乳歯や生えたばかりの永久歯：幼弱永久歯）は、エナメル質が柔らかいため、フッ素による保護が有用だとされています。

しかし、フッ素だけでは虫歯予防は不十分です。むし歯の原因となる「食習慣」や「歯磨き習慣」をしっかり意識し、さらなる効果としてフッ素を使用することをおすすめいたします。

 

どんなに歯磨きが上手な方でも、細かいところへのケアは難しいものです。

毎日歯磨きなどで、お口の中を清潔に保つセルフケアに加えて、３～６か月に１度は、歯医者さんでの歯のクリーニングや歯石の除去、フッ素塗布などのプロケアを行い、細菌のつきにくい、ツルツルの歯を維持して、むし歯のない口腔内を作っていきましょう！！

 

ご不安なことがあれば、まずはお気軽にご相談ください。

 

院長　椿本貴教

椿本デンタルクリニック

TEL：０３５９５５１２５０

お問い合わせ・Web予約｜豊島区 池袋・東池袋の歯医者｜椿本デンタルクリニック (tsubakimoto-dc.com)